残酷女刑務所[The Big Doll House/1975年]
製作 ロジャー・コーマン
監督 ジャック・ヒル
最近、ふと思気づいたのだが、今まで結構いろいろな女囚映画を見たが、実は一度も映画館で見たことがないし、ビデオを自分で借りて見たこともない。そのほとんどが中学校から高校生くらいまでの間にテレビで見たものなのである。
女囚映画というと、何となく成人映画や18禁を思い出すのだが、テレビでやっていたということはそうではなかったということになる。あるいは、編集して「一般向けOK」となっていたかのどちらかだと思うのだが、それを証明する手だてがない。
内容は一応それぞれ覚えているつもりなのだが、内容がどれもとても似ている上に、ほとんどが原題とかけ離れた邦題をつけられているので、今となってはどれがどれだかよくわからない。
出ている女優や監督に関しても、当時それを認識して見ていたわけでもなく(そんな中学生はイヤだが)、大人となってからあの頃の映画をもう一度見たいと思っても、自分が見た女囚映画がどれだったかということはもうわからないだろうと思っていた。
実際その部分は今でも大きいのだが、しかし時代は変わった。
今やインターネットで邦題と原題を照らし合わせることは容易だし、全部ではないが、ストーリーもわかることが多い。内容がわかれば何とかなるのではないか。
今ではYouTubeがあり、有名な映画なら予告編が大体アップされている。
文字ではわからないことも、予告を見ればわかるのではないか。
女囚映画は一時代を築いたとはいえ、ゾンビ映画やモンスター映画のように何千本も作られたというものではないし、日本のテレビで放映されたものなら、痕跡もある程度は掴めるような気がした。
ということで、私は幼き日の自分のテレビでの女囚映画体験を振り返る追憶の旅に出たのだった。
手がかり
最初にテレビで見た女囚映画は「ナチスもの」だった。
これは間違いない。
多分、私が中学生の終わり頃か高校生の始めのことで、1970年代の中盤あたり。
もちろん、当時では、テレビで映画が放映されるのは公開からずっと後というのが普通で、その頃に作られたということではない。
女囚映画のナチものというと、資料的に必ず出てくるのが1975年の「ナチ女収容所/悪魔の生体実験」(Ilsa, She Wolf of the SS)だ。
これだろうか。
だが、YouTubeに予告編があり見てみたが、これではない。
Ilsa: She Wolf of the SS
http://jp.youtube.com/watch?v=ccnTMJly9iE
ただし、この女看守のイルザはその後、別の映画で見ている。
映画原題で「ILSA……」(イルザ)から始まる女囚映画はいくつもあって、それらはすべて「ナチ女収容所/悪魔の生体実験」の模倣というか、残酷の部分だけを適当に真似したエクスプロイテーションだったようだ。
いくつか予告を見てみたが、どうにも適当だ。
調べてみると、やはりイタリアで女囚ナチ映画は量産されており、もしかしたら、私が見たのはその中のどれかだったかも知れない。
興味のある方はYouTubeで「Ilsa」で検索してみるといい。
いくらでも出てくる。
そういえば……カサブランカ(1942年)のイングリッド・バーグマンの役もイルザ=Ilsaだったなあ。あちらでは一般的なのか。
さて、では中学生の時に最初に私が見た女囚映画は何だったのだろう。
シーンで思い出してみよう。
裸でのシャワーシーン…………。しかし、これは他のすべての女囚映画にもある。
女囚同士の喧嘩シーン……。これも他のすべての女囚映画にある。
女看守のリンチ…………。これも他のほとんどの女囚映画にある。
男看守とのセックス……。これも他のすべての女囚映画にある。
レズビアンシーン……。これも他のすべての女囚映画にある。
……なんと、「その映画だけにあるもの」がほとんどない。
だから、いくつも見ただろうに、ひとつひとつが不鮮明なのだ。
これでは思い出すのはやはり難しそうだ。
ちなみに、女囚映画の走りとなったジャック・ヒル監督の「残酷女刑務所 The Big Doll House」(上の予告映像)
はよく覚えている。
黒人の女性(予告を見てみると、これ、パム・グリアだったのか!)が印象的だったりして、(中学生には)見応えのある映画だった。

それにしても、予告時点でやたらとオッパイが出てくるが、これは当時のテレビではどうだったかな。覚えていない(本当に)。
* パム・グリアは70年代から黒人女優として活躍して、ブラックスプロイテーションのスターとなる。彼女のその頃のファン多く、後のハリウッド・オタク監督たちにも多かった。90年代に入り、ティム・バートン(マーズ・アタック)、1997年のクエンティン・タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」などが話題となった。「マーズ・アタック」ではふざけた豪華出演者陣の中で唯一といっていいほど、観客の心に沁みる素晴らしい演技を見せている。今でも彼女が「アメリカの黒い女王」であることに異論を唱えるものはいないだろう。
いずれにしても、「女囚映画 追憶の旅」はまた今度いずれ行う……必要はないかな。


